ダイエット
●症状 肥満そのものは腰痛や膝関節痛などをおこすくらいですが、問題なのは肥満が原因となって起こる合併症です。心臓病、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの循環器系の異常や代謝異常、睡眠時無呼吸症候群がおきやすくなります。 |
健康Q&Aでは、ダイエットや腰痛、関節痛などのご質問にお答えしてます。
※肥満治療は初診のみご予約をお願いします。 TEL096-361-1881
ダイエット6つのポイント
(1)あせりは禁物ゆっくりやせる人間はだれもが、ゆっくり何かを達成するというのが苦手です。特に、何でもスピードが重要視される現代では、結果を直ぐに求めてしまいがちです。ダイエットの根本は食生活などの生活習慣の誤解や錯覚の修正です。何十年と生きてきて身に付いた自分自身の生活習慣を変えるためには、充分に納得し理解した上でゆっくりと食生活などの習慣を変革していきましょう。そのためには最低6ヶ月という時間が必要です。
(2)目標設定を小さく、達成感を大きく
目標が大きすぎると失敗します。例えば1ヶ月に5㎏やせるという目標を自分で作ってしまうと、実際に1ヶ月に3㎏しかやせなかった場合、ダイエットはうまくいかなかったと考えがちです。逆に1ヶ月1㎏のダイエットを目標にしていれば、3㎏やせると目標の3倍も成功したと大満足です。この喜びがダイエットの継続に不可欠なエネルギーです。どんなにダイエットが順調でも、目標設定が大きすぎると挫折してしまいます。
(3)美味しい食事でやせる
おやつを食べた直後では、どんな御馳走を出されても美味しく食べることはできません。逆にとてもお腹が空いているときは、何を食べても美味しく、おにぎりひとつだって御馳走です。食事を美味しくするために、しっかりお腹を空かせ、ゆっくり味わって食べましょう。しっかりお腹が空いてさえいれば、食べたい気持ちを我慢しないで食べてもいいのです。我慢するダイエットは長続きしません。次の食事の時間に空腹になるよう、毎食腹八分を心がけてください。
(4)空腹をおそれない
空腹は苦痛です。空腹を感じると、人はだれも「すぐ」何か食べたくなります。食事まであと10分、15分、これが長くて苦しい時間です。しかも一旦感じた空腹は時間とともに増大し、空腹の苦痛は耐えがたくなる気がします。しかしこれは、あくまでも気がするだけで、何もおそれることはありません。私たちの脳細胞は血糖値の低下を感知すると空腹のサインを出します。脳細胞は糖以外のたんぱく質や脂肪をエネルギーに利用することができません。だから血糖値の低下には敏感に反応して、脳は『お腹が空いた!早く食べろ!』という指令を出します。でも、空腹を感じて30分以上食事を摂らずに低血糖が続けば、体は蓄積された内臓脂肪の中性脂肪を分解し、体内で糖を作り出して血糖値を上げ始めます。つまり耐えがたい強い空腹感が30分程度続くと、それ以降は徐々に血糖値が上昇して、強い空腹の苦痛から解放されます。たまたまお昼を食べる時間がなく、空腹を通り越して夕方になると、それほど空腹を感じなくなっていた、という経験は、だれしも1度くらいあるはずです。一旦感じた空腹の苦痛は増大していくわけではなく、徐々に薄れて苦痛でなくなるものなのです。
(5)空腹をよろこぶ
空腹はだれもが苦手で、お腹が空くとイライラしたり、食べてないことを後悔することもあるでしょうが、ここで発想の転換です。空腹を感じたら「よかった!」と思ってください。なぜならお腹が空いたら次の食事が美味しいからです。ダイエットが必要なあなたには中性脂肪が蓄積されているはずですが、空腹を感じて30分もすれば、その脂肪は分解されていきます。その時間は「自分の脂肪が燃えている!」と喜んでください。ほとんどの皆さんは、1日3回の食事が可能ですし、食事の支度をする時間がない場合でも、コンビニなどで手軽に食べたいものが買えます。そこをあえて「お腹が空いたらすぐ食事」ではなく、「お腹が空いて30分以上経ってから食事」とし、楽しんで待ちましょう。空腹を感じて30分の時間を楽しんだ後に、大好きな「おやつ」もいいですし、逆に1食抜いてみてもいいでしょう。野生の動物の食事を考えてみれば、毎日毎日、1日3回食事する必要はありません。また、毎回満腹になるまで食べてしまえば、中性脂肪は蓄積される一方で、健康に良い訳ありません。栄養も多すぎては体に毒になります。中性脂肪がたっぷりなあなたは、1週間に1日はりんご1個、という日があってもいいかもしれません。
(6)無理して食べない
『朝食を食べないとやせない』そんなことはありません。朝から食欲がないのに、無理して食べれば太ります。また、朝食を抜いたからと、お昼に2食分食べたら太ります。『栄養のバランスを考えないと太る』これも間違いです。ダイエットしようとしている人が、「朝ごはんは大事」「朝をヘビーに」「パワーブレックファースト」など、まったく愚の骨頂です。朝食に動物性たんぱく質は不要です。私たちの食生活では、昼食にも夕食にもたまごや肉がたくさん入っていて、すでに過剰です。朝食に卵料理やハム、ソーセージは定番ですが、現代の食生活において、朝食は少量の炭水化物でよいのです。具体的には、ごはんと味噌汁、パンとコーヒー、まんじゅう、クッキー、ケーキ、くだものなどのどれか1品で充分です。ダイエット中はお菓子(まんじゅう、クッキー、ケーキ)などを食べてはいけないと考えがちですが、午前中はいいでしょう。3時のおやつや夕食後のデザートとして食べることはやめて、そのデザートを朝食で食べましょう。肥満症治療外来で調べてみると、約3割の人は高脂血症です。総コレステロール値が300mg/dl以上(通常は140~220mg/dl)もあるのに毎朝牛乳を飲んで、卵やハム、ソーセージを食べているのは、動脈硬化を進行させ心筋梗塞や脳梗塞を誘発する自殺行為と同じです。
肥満症治療外来(ダイエット外来)について
初診時には詳しい問診表の記載と食習慣調査をして、さまざまな項目の計測を行います。 まず、スタート時点での現状の認識が重要です。 体重、体脂肪、ウエスト計などを測定しますが、たいがい皆さん測定を嫌がられます。 しかし数字が大きければ大きいほど改善効果は絶大で、喜びも大きくなりますので、ぜひマックス(最大)での計測をお勧めします。 先日も10kg以上ダイエットに成功された方が、「こんなに痩せるなら、最高に太っていた時に裸の写真を撮っておけばよかった。」と喜んでおられましたので「そうでしょう!ビフォーアフターですものね!」と返事してしまいました。 血液生化学検査もたいへん有効です。肥満症の方は、自覚症状がなくても高脂血症や糖尿病の進行や肝機能障害が7割以上の人に認められます。 実際のダイエットの指導として、大事な筋肉や骨や内臓を損なわないよう余計な脂肪だけ減らすには、1ヶ月で1kg減が理想です。しかし一念発起してダイエットを始めると、皆さんなぜか1ヶ月で3kgは痩せたいという気持ちになります。自分の予想に反して1kg程度しか減らないと、ひどく落胆される方も多いようです。でも、血液生化学検査してみると高脂血症や糖尿病や肝機能の改善が見られ、たった1kgでも身体の中はこんなに健康になってよかったと喜ばれます。 実際には、食事療法、運動療法、お薬の組み合わせでダイエット治療をおこなっていますが、一番大事なことはモチベーションの維持です。毎日グラフ化体重日記やダイエットスコアや食事日記を記録してもらい、受診の際に毎回チェックさせていただきます。具体的なアドバイスやダイエットに役立つ資料の配布、院内のダイエット教室(無料)へのご案内など、ダイエットへの興味が損なわれないよう、スタッフ一丸となりさまざまな工夫を凝らしています。治療費は1ヵ月いくらぐらいかかりますか。
肥満症の治療費(国民健康保険または社会保険で3割負担の場合)(要予約お願いします)■最初の月
1回目初診料と血液検査などで約3000円 (肝臓、腎臓、コレステロール、糖尿病、貧血などの血液生化学検査をします。)
■2回目
再診料と処方代で約700円 毎週1回:計4回の受診で最初の月は約5000円です
■2ヶ月目以降
1ヵ月4回の診療で月に約3800円です。
■その他
骨粗しょう症(骨密度)、リウマチ、甲状腺機能検査、動脈血酸素飽和度測定、レントゲン検査、などです。
以上の検査や治療された場合は診療費が増えます。これらの検査と治療がいくらかかるか、遠慮なく受付でお尋ねください。なお、当クリニックでは治療内容の明細のついた希望される方には領収書を発行しております。
メタボリック症候群か。
(1)メタボリックシンドロームてなんですか?
メタボリックシンドロームとは肥満が発端になって、高血圧症や糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が重複しておこり、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい状態になること をいいます。
(2)メタボリックシンドロームの原因はなんですか?
内臓脂肪型肥満がメタボリックシンドロームの原因です。
(3)内臓脂肪型肥満はどうしてメタボリックシンドロームをひきおこすのでしょうか?
内臓脂肪はさまざまな生理活性物質を分泌しています。この生理活性物質には善玉と 悪玉の2つに分類されますが、内臓脂肪型肥満では善玉(動脈硬化や糖尿病を防ぐアディポネクチン)が低下して、悪玉(血管の炎症や糖尿病をおこすTNF-αなど)が増加します。その結果、インスリンの効きが悪くなって糖尿病になったり動脈硬化が進行したりします。
(4)メタボリックシンドロームの診断基準でどうして女性が男性よりウエスト計が大きいのでしょう?
(女性90cm男性85cm以上)同じウエスト径では女性は男性より皮下脂肪がおおくて、内臓脂肪は少なくなってい ます。メタボリックシンドロームをおこす内臓脂肪が同じ程度(CTでの内臓脂肪面積100cm)では、女性の場合皮下脂肪のぶんだけウエスト径は大きくなります。
(5)日本の成人ではメタボリックシンドロームの割合はどれぐらいでしょうか?
ある日本の調査では、成人男性の44.6%女性では18.0%がメタボリックシンドロームでした。およそ成人男性の2人に1人がメタボリックシンドロームとは驚きの結果です。
(6)メタボリックシンドロームになって最初に現れやすい疾患はなんでしょうか?
高血圧症が最初に現れます。高血圧症があって最近おなかが出てきた人は要注意です。糖尿病は比較的に後で出現します。ちなみに日本では高血圧症の人は2000万人、糖尿病は700万人です。
(7)メタボリックシンドロームの防ぐにはどうしたらいいでしょうか?
過食をさけた食習慣の改善と適度な運動の習慣をしっかりと身につけたバランスのとれたダイエットです。体重の増滅だけでなくてウエスト径もしっかり測定して記録してみましょう。適切なダイエットをした場合には、必ず5kgやせればウエストは5cm、10kgやせれば10cmウエストは細くなります。うちの肥満症外来では30kgやせて30cmウエストが細くなった人もおられます。
代表的な漢方薬
防己黄ギ湯肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、関節痛、むくみに効果があります。色白で疲れやすく、汗のかきやすい傾向のある人にお勧めです。成分は、オウギ、ボウイタイソウ、カンゾウ、ショウキョウなどです。
防風通聖散
この漢方薬は、おなかに皮下脂肪がおおくて便秘がちの人にお勧めです。便秘が解消して肥満症の治療に効果があります。その他、高血圧に伴う(どうき、肩こり、のぼせ)や、むくみにも効能があります。成分は以下のような生薬からなっています。黄ごん、甘草、桔梗、石膏、白じゅつ、だいおう、けいがい、さんしゃなどです。
ダイエット相談室
◆ ダイエットへの具体的なワンポイントアドバイスをお願いします。空腹を恐れないようにしましょう。
空腹は辛く苦しい、と人間は空腹を恐れるようにプログラムされています。
現在の日本では家庭でも職場でも食品は過剰にあって、空腹になればすぐに何か食べることができます。ですから、将来の空腹の為に「食いだめ」する必要はありません。
ほとんどの人は毎日3度食事しますから、お腹が空いたら食事の時間になるようにしてください。お腹が空いて食事する。これが大事です。
そのためには、次の食事時に空腹になるように毎回食べ過ぎない心がけが重要です。
そして、食事の時間が来てもそれほど空腹でなければ無理して食べない。残すのがもったいないと思うなら、最初から量を少なめにしてください。
しっかり空腹になって食事すると、いつもと同じ食事が最高のご馳走になります。
◆保険診療で可能な肥満の治療薬がありますか?
血液検査などで高脂血症や耐糖能異常が見られたり、ひどい便秘症の場合など、その改善薬はダイエットにも効果的です。身体の代謝を亢進し脂肪燃焼するダイエットに役立つ治療薬などもあります。
◆やせるためにどんな運動すればいいか教えてください。
痩せる運動に関して何より重要なことは、その運動の継続がストレスにならずに楽しくておもしろい、ということです。運動して汗をかいて、気持ち良い感覚を少しでも体が覚えるといいでしょう。屋内の運動は天候に左右されずに自分のペースで続けることができる利点があります。気候が良ければ四季の変化を楽しむことができる屋外も楽しいでしょう。ペット仲間との出会いなどがあって楽しいかもしれませんし、ママさんバレーやテニスなどは勝ち負けがあるスポーツも面白いですね。
◆ ダイエットの目標はどれくらいが適当ですか?また、実際の効果はどのようですか?
1ヶ月1kgの減量をお勧めしています。1ヶ月3kgの目標を作ると2kgしかやせない時に挫折感を味わい、自己嫌悪に陥ったりします。目標を小さくして達成感を大きくすることが継続の「コツ」です。実際は、半年で10kg以上、1年で30kg痩せる方も稀ではありませんが、平均は半年で5~6kg減量の方が多いようです。
◆ 堤整形外科クリニックでの肥満症治療(ダイエット外来)に関して教えてください。
初診時には詳しい問診表の記載と食習慣調査をして、さまざまな項目の計測を行います。
まず、スタート時点での現状の認識が重要です。
体重、体脂肪、ウエスト計などを測定しますが、たいがい皆さん測定を嫌がられます。
しかし数字が大きければ大きいほど改善効果は絶大で、喜びも大きくなりますので、ぜひマックス(最大)での計測をお勧めします。
自分の予想に反して1kg程度しか減らないと、ひどく落胆される方も多いようです。でも、血液生化学検査してみると高脂血症や糖尿病や肝機能の改善が見られ、たった1kgでも身体の中はこんなに健康になってよかったと喜ばれます。
実際には、食事療法、運動療法、お薬の組み合わせでダイエット治療をおこなっていますが、一番大事なことはモチベーションの維持です。毎日グラフ化体重日記やダイエットスコアや食事日記を記録してもらい、受診の際に毎回チェックさせていただきます。具体的なアドバイスやダイエットに役立つ資料の配布、院内のダイエット教室(無料)へのご案内など、ダイエットへの興味が損なわれないよう、スタッフ一丸となりさまざまな工夫を凝らしています。
◆ ダイエット成功の秘訣はリバウンドのメカニズムを知ることです。
飲食の機会が多くなる季節です。でもちょっと待って!夏場、短期間で減量に成功した方は、この時期の過ごし方で来年以降の夏に影響してきます。リバウンドのメカニズムを理解し、自己管理に努めましょう。
例えば1ヵ月で3kg以上の急激な減量をした方は、身体が飢餓状態に備えて過剰に栄養分を吸収しやすくなっています。また、体重が減って安心し、運動しなくなった人の増える体重の割合は、筋肉よりも脂肪が大きく、以前と同じ体重でも体型が太くなります。また、運動を取り入れずに減量した方は、体重の減少原因が主に筋肉だったため、基礎代謝が減少してしまい、エネルギーが消費されにくくなっています。エネルギーが消費されないと、余った栄養は、燃えにくい脂肪としてお腹や二の腕に保存されます。つまり、誤ったダイエットがリバウンドを呼び、以前より太りやすくやせにくい体を作るのです。
この時期リバウンドしないためには、ポイントがあります。
1.腹八分を心がけましょう。
2.体重ばかりに気をとらわれず、体脂肪を減らしましょう。
3.筋肉が落ちないよう、有酸素運動を取り入れましょう。
4.急激に体重を落とさないようにしましょう。